イケメン新人営業マンにセクハラ①
私は、とある総合病院で勤務医として働いています。病院には製薬会社の営業マン(MR)が日々熱心に訪れ、医師のご機嫌取りに力を入れてきます。
私は昨年からMRと接する担当窓口になったのですが、嬉しいことに、MRは爽やかで愛嬌のある、体育会系の男性が多いのです。不愛想で気難しい私に懐いてくる後輩は職場にはいませんが、MRの可愛げのある男たちは私に気に入られようとすり寄ってくるものですから、とても愛おしく感じます。私はもともとS気質で征服欲の強いゲイで、ノンケ君達が弱い立場からゴマすりしてくるなんて最高のシチュエーションです。
とはいえ、今はパワハラやセクハラがうるさく言われる社会ですし、私はゲイであることも隠してますから、彼らへの言動が行き過ぎないよう普段は自制しております。しかしそんな中でも、一生のオカズになるような体験ができました。
取引のある大手製薬会社のMRに、中川さんという方がいます。中川さんは私の6歳下の42歳。顔立ちがはっきりしていて、年齢よりも若々しい印象の男前です。もともとスポーツマンらしく、きっと若い頃は女性にモテたでしょう。
中川さんは、いわゆる”宴会部長”タイプ。よく接待で女性のいる高級クラブなどに招待し、体育会系らしいノリで盛り上げてくれるのですが、私はゲイなうえに酒も好まないので、正直あまり楽しめませんでした。大抵の中年ドクターは酒と女を提供すれば喜ぶのでしょうが、私のようなタイプの機嫌取りに中川さんもご苦労されているようでした。
そんなある日、中川さんが、OJTとして新入社員の営業マンを連れてきました。その新人君を見た瞬間、久々に胸がギュッと掴まれたような衝撃が走りました。
美しい目に高い鼻筋、髭ひとつないシャープ顔立ちの美しい青年。つやつやの黒髪で、前髪をあげ、きりっと整えられた眉毛とおでこが好印象。清潔感があり、ムダなお洒落や下品さが一切ない、まさに美男子、好青年という言葉が当てはまる。アイドルグループのセンターにいても遜色ない。
「新しく配属されました、平野ショウと申します。今後ともよろしくお願いいたします。」
きれいな顔に反して、声は少し掠れたような男らしい低音ボイス。彼がオスであることを感じる色っぽいギャップが、私の下腹部に響きました。平野くんのことをもっと知りたい、もっと声が聞きたい。
普段は立ち話で終わることも多いのですが、咄嗟に彼らを応接室に通しました。特に商談でもないのに客間に案内され、中川さんは一瞬驚いたような表情に。
客間では、私と中川さんの他愛のない会話を、真剣な表情で聞き、相槌をうつ平野君。徐々に彼も会話に参加してきます。人と話すのが純粋に好きな子なのでしょう、しっかり相手の目を見て、ハキハキとした受け答えで、それでいてリラックスした会話ができる子。営業マンの素質は抜群です。私自身、人と会話をしてこんな楽しい気分になるのは何年ぶりでしょう。容姿の美しさだけでなく、内面も含めて私の心をくすぐります。普段は不愛想な私が、今日は満面の笑みで饒舌になり、中川さんも驚いたことでしょう。
ふと我に返り、無意識に平野君のことばかり見つめていたことに気づきました。中川さんを見ると、爽やかな営業スマイルの瞳の奥で私の視線を観察していたのか、目が合ってしまい、恥ずかしくなりました。ベテラン営業マンはこの時、私の秘密の性癖を見抜いたのかもしれません。これまでどんな接待を受けても私がこんな上機嫌になることはありませんでしたから…。
すると中川さんは、「平野には、小規模なクリニックの担当から経験を積ませようと思っておりましたが、先生がもしよろしければ、御院の担当として就かせて勉強させていただいてもよろしいでしょうか? もちろん、私が責任をもってサポートさせて頂きますので。」
こんな素敵な提案をしてくれました。私は顔がほころぶのを何とか隠しながら、「よろしいじゃないですか。真面目で誠実な若者で、私は大歓迎ですよ。中川さんと2人体制でサポートいただければ安心です。」と、快諾しました。
平野君もいきなり総合病院の担当になることを決められて驚いたことでしょう。しかし、可愛い笑顔で「ご迷惑おかけしないよう一生懸命担当させていただきます!」と言ってくれました。
彼が日々、私に会いに来てくれる。バラ色の日常の始まりでした。
始めこそ中川さんとの2人体制でしたが、簡単な用事のときは平野君一人で来るようになりました。彼は私の顔を見ると、主人を見つけた仔犬のようにすり寄って来きます。頭を撫でてあげたくなります。
私は会えば会うほど平野君に夢中になりました。平野君が来ると職場のナースたちも色めき立ちます。真面目な好青年ぶりとお話好きな人懐っこさで、平野君はすぐに人気者になってしまいました。
独占欲の強い私は、平野君ともっと親密になりたくなり、大した用がなくても彼を病院に呼びつけるようになりました。
ある時、製薬関係の資料整理をしたい、と理由をつけて平野君を呼び出しました。「わざわざすまないね。若い男子が手伝ってくれると助かるよ。」「とんでもないです!お力になれて嬉しいです!」荷物運びのため、平野君はジャケットを脱ぎ、シャツの腕をまくりました。普段はスーツに隠れて見えない生腕やシャツに浮かぶ体のラインが見れて垂涎。資料室は暑くて、ネクタイをほどいてシャツも脱がせてあげたいくらいです。1時間ほどですが、資料室の中で平野君と二人きりで会話できました。
学生時代はサッカー少年で今も社内サークルでフットサルを続けていること、高校時代から付き合っている彼女と遠距離恋愛していること、お酒は好きだけどあまり強くないことなど、彼から出てくるエピソードはすべて私のストライクゾーンに命中。
平野君が段ボールを持ち上げたとき、資料が何枚か床に落ちました。両手がふさがっている彼の代わりに紙を拾おうとしゃがむと、ちょうど私の眼前に平野君の股間部分が。
このズボンの奥に、平野君の大事なものが隠されていると思うと体内で沸き立つものがありました。こんな美しい青年はどんなモノを持っているのだろう。スーツの上からは形も大きさも全くわかりませんが、妄想がとまりませんでした。資料を段ボールに入れてやると、私の卑猥な妄想なんか知る由もない平野君は、「先生すみません、ありがとうございます。」と可愛いハスキーボイスで言いました。
ああ、この声がいちいち私の欲望を駆り立てる。
平野君ともっと過ごしたい。そう思っているいると、平野君の携帯電話が鳴りました。どうやら中川さんからのようです。
「あ、はい、では今、先生に確認してみます。…先生、今夜はお忙しいでしょうか? 急で恐縮ですが、もしご都合よろしければお食事でも、と中川が申しております。」
ナイス中川さん。平野君と一緒にお酒を飲めるなんて。酔って顔を赤くしている顔が見たいよ。お話上手な中川さんもいてくれたら楽しい会になりそうです。私はそのお誘いを快諾しました。
営業車で来た中川さんが、私と平野君をピックアップしてくれました。いつものような女性がいる高級クラブではなく、懐石料理屋さんの個室に案内されました。テーブルが「コ」の字に配置されており、私は真ん中の席で、右手に平野君、左手に中川さんが着席。
「先生、平野を可愛がっていただいているようで大変ありがとうございます。日々のご指導のお礼も込めまして、一席設けさせていただきました」と言う中川さん。「ご指導だなんてとんでもないです。平野君が来てくれると職場も明るくなりましてね。真面目で勉強熱心だし、大変助かっていますよ。」と返すと、平野君は嬉しそうに顔を赤くしてはにかみました。抱きしめてあげたくなります。
中川さんは「今日は俺が車で送迎してあげるから、平野、今日は遠慮せずたくさん飲めよ!」と言いました。私も平野君の酔った姿が見たくて、少し早めにお酒をついであげました。平野君は酔うと顔が赤くなり、少し滑舌が悪く、いつもより声が大きくなりました。本当、いちいち全てが私を欲情させる子です。
「平野君は、病院でも若いナースから大人気ですよ。会社の中でもモテモテなんじゃないですか?」私が聞くと、「ええ、もうアイドルというかマスコットというか。婚期逃した女性社員のターゲットですよ(笑)平野、もう誰かに食べられたか?」と中川さん。平野君は「いえいえそんな(笑)中川さん、そんな言い方したら女性に怒られますよ(笑)」
「この前の飲み会で平野が裸になったら、女性社員はもう大喜びでしたよ。」という中川さんの言葉に私は思わず「えっ、裸…!?」と声に出して反応してしまいました。
平野君が、人前で裸になったの!? ずるい、悔しい、見たい、脳内がパニックでした。
「先輩に脱がされまして(笑)上半身だけですよ?」と弁解する平野君。
上半身だけでも羨ましい。嫉妬のような感情が湧きたちました。すると中川さんは私の心を見破っているかのように「ほら平野、自慢のカラダを先生にも見ていただきなさい。」と最高のパスをくれた。私は中川さんがくれたチャンスを逃すまいと「それは、ぜひ拝見したいですねえ」と興奮を抑えていいました。
「いえいえ、全然たいしたことないですし、自慢できるようなものではないのですが…」と渋る平野君と、「ほらほら、先生も見たいと仰ってる。」と煽る中川さん。
どうやら中川さんは、私の平野君に対する下心を完璧に見抜いているようです。
私のご機嫌を取りたい中川さんと、平野君の裸を見たい私の利害は一致。
狭い個室の中、おじさん2人の前で、美しい平野君が裸にされる図式が成立したのです。
(つづく)