サッカー部のあいつの匂い
高校時代、同じ部活に拓海ってやつがいた。
拓海はみるからにサッカー部って感じでかっこよくて小麦色に焼けて髪はツンツン。何より笑顔がさわやかで女から絶大な人気があった。
サッカーが大好きな純粋なやつでさっぱりした男らしい性格がまた余計によかった。
俺は当時から男に興味があったが、部活でもみんな女の話ばっかだし、自分が男が好きとは認められなかったので意識しないようにしていた。
だが俺も拓海に惹かれているのはなんとなく気づいていた。
夏休み、家族が旅行の計画をたててたが俺は部活があったし留守番することにした。
その日も部活が終わって帰りに拓海と話したとき
「親が旅行で来週からいねーんだよね」
と、何気なく話したら拓海が
「マジ?じゃあ来週お前んち泊まりにいっていい?」と、言ってきた。
「おう、いいよ。誰か誘う?」
「んー、どちらでも。任せるわ、テキトーに声かけといて。」
その時は大した思うところもなく返事をしたが拓海と別れた後、だんだん興奮していく自分に気がついた。
今まで合宿や何人かで拓海と泊まったことはあったが二人きりでのチャンスは初めてだ。
拓海と二人きりで過ごしてー。
そう思った俺はわざと誰も誘わないことにした。
それ以来俺は拓海のことを余計に意識していた。
そして泊まりの前日、拓海から
「おい、明日どうする?」
と、聞かれ俺は、
「結局誰も捕まらんかった、俺は二人でもいいけど?」
と、答えた。実際は誰も誘っていない。
「マジか、じゃあ二人でいいか、ウイイレやりまくるべ。」
と、あっさり答えてきた。拓海の性格上、そう答えるのは予想できたが実際に聞くと余計高揚させた。
あの拓海と一晩二人きりだ…
そして次の日、その日も午後練を終えた。
部活後、拓海は白のポロシャツにハーフパンツ、サッカーのソックスをくるぶしまで下げ、ずっと履き続けてるであろうひもを緩めたボロボロの黒のトレーニングシューズ、そして部活道具の入ったカバンというまさに部活帰りという格好をしていた。
それをみて俺は拓海を抱きしめたく無性に拓海のにおいを嗅ぎたくなった。
拓海のことを抱きしめて汗くさいにおいめっちゃ嗅ぎてえ
興奮する気持ちをなんとか抑え、俺らはぷらぷらしたりゲーセンに寄ったりして飯を食った。
気がつけばもう23時前になっておりそのまま帰ろうかと思ったが拓海が
「酒買ってかね?」
と言い出した。
俺らはみるからに高校生って感じだったがなんとか酒を買うことができた。
うちに帰る途中、公園で拓海が
「ちょっと語り合おうぜ~、夜の公園とか超いいじゃん」と言ってきたのでそのまま公園で飲むことにした。
話の内容はだいたい女の話だった。俺はそのとき彼女はいなかったが拓海は当時彼女がいた。
「お前まだやってねーの?」と俺が聞くと
「そう、俺まだ童貞なんだよ笑」拓海がそう言った。
俺の同期のサッカー部はチャラいやつは多いが意外とビビりも多く、彼女がいても童貞ってやつは他にも結構いた。
拓海が童貞なのは俺は知っていたがその時は
こいつ、こんな爽やかでモテるくせにまだ童貞なんだ…
という考えがやたら俺を興奮させた。
ある程度飲みながら話してると拓海は酒がまわったのかしんどそうだった。
練習後だったし疲れもあった、俺もちょっと眠かった。
「おい、大丈夫かよ」
と声をかけると。
「わりい、大丈夫…、そろそろ行くか」
と、あまり大丈夫じゃなさそうな返事が帰ってきたので帰ることにした。
うちに着くと拓海はかなりしんどそうで玄関でトレシュを脱ぎカバンを投げ捨てると
「お前の部屋どこ?」
と言ってきたので俺は部屋に案内した。
部屋につくと拓海は
「わりい、俺今日ヤベー、、、」といい、ベッドにどさっと倒れ込んだ。
俺はさすがに心配で水をとってくることにした。
戻ってくると拓海はベッドの上で寝ていた。
「おい拓海、大丈夫かよ?」
と、声をかけてもゆすっても起きない。
ただ、寝息はしていたので安心した。
安心した途端、俺はこのときだんだん鼓動が激しくなってるのを感じた。
拓海が寝ている、、、
俺は拓海が本当に起きないのか確認の意味をこめ、まず拓海を仰向けにしてみることにした。
拓海は身長は176cmぐらいで肩幅があるがガッチリではない。しかし腹筋は割れていたしおそらくすじ筋というやつだっただろう。
俺は持ち上げようとしたがガチでサッカーをやってるだけあり重い、やはりそう簡単には持ち上がらない。
何度か力をいれていると拓海自身が動き出した。
ヤベ、起こしてしまった…!
俺は一瞬、かなり動揺したが拓海はそのまま自分から仰向けになった。
「うー…ん…」
「おい、拓海」
呼んでも返事がない。
どうやら起きてはいないようだ。
俺はふっと一息ついた。
一息をついて目の前で横たわる拓海をみてるとまた鼓動がはやくなってきた。
拓海のにおいを嗅ぎてぇ…
そう思い、部屋の電気を消し、玄関に行き拓海がさっきまで履いていた脱ぎたてのトレーニングシューズを見た。
拓海は普段もよくこのトレシュを履いており、練習でもたまに使うので全体的にかなりボロボロだった。
みるからに臭そうなトレシュだがあのさわやかな拓海がさっきまで履いていたかと思うともう俺は勃起していた。